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クレソンを作る女性4人組「クレソンヌ」 震災復興半ばの町の特産に:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 岩手県大槌町の山間部で高級野菜クレソン(オランダガラシ)が収穫真っ盛りだ。耕作放棄地で栽培を始めたのは、女性4人組。その名も「クレソンヌ」。震災被災地で「復興半ばの町の特産物にしたい」と、試行錯誤しながら販路の拡大をはかる。

 沢山美恵子さん(66)、五日市真由美さん(65)、小笠原美代子さん(61)の3姉妹といとこの小原善子さん(70)の4人。いずれも大槌の金沢地区に住む。

 東日本大震災後、金沢地区は過疎が進み、耕作放棄地が増えるばかりだった。「新しい作物を育て、復興に弾みをつけたいね」と会えば話していた。

 2018年、NPO法人「遠野まごころネット」からクレソン栽培を持ちかけられた。水田だったところに、山から湧き水を引いて始めた。

 クレソンはビタミンや鉄分などが豊富で、高血圧や高脂血症の予防にも効果があるとされる。肉料理の付け合わせやサラダにも使われる。水生植物で、きれいな水が豊富な場所でしか栽培できない。わさびが自生するほど沢水に恵まれた金沢は適地だった。専門家も驚くほど成長し、濃厚な味に育った。

 苦労もあった。最初の年、豪雨で畑のへりの一部が、脇を流れる川に崩れ落ちた。農家育ちの4人は夫や息子らを動員して100個近い土囊(どのう)を崖に積み、その後も大雨の度に修復した。「父が、娘にも農家の力仕事をさせたことが今になって生きた。当時は文句を言ったが今は感謝している」と沢山さんは振り返る。

 17アールの畑で約1トン採れるようになってイベント販売に乗りだしたが、当初は町の産直施設に並べても、あまり売れなかった。

 そこで、昨年は販売をせずに、畑から好きなだけ採って試食してもらうことにした。すると今年は味を覚えた客が買うようになり、売り上げは急上昇。隣の耕作放棄地でも栽培を始めた。さらに無農薬栽培にも挑戦。虫食いの葉を取り除くのは手間がかかるが、評判は上々だ。

 町のふるさと納税の返礼品になり、県内のスーパーなどへの大量出荷も決まった。9月には東京の料理店からシェフが来て味を確かめ、店で使ってくれることになった。

 今後は加工品の開発や鹿肉とのセット販売などを考えているが、人手が足りない。沢山さんは「地域おこし協力隊員のような若者に参加してもらい、一緒に盛り上げていければ」と夢を膨らませる。東野真和

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