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茨城県民はなぜ巨像を作るのか 牛久大仏だけじゃない、世界最大級も:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 茨城には巨像が多い。世界一の大きさを誇る牛久大仏は有名だが、伝説上の巨人・ダイダラボウ像、日本一大きいと称する埴輪(はにわ)……。茨城県民はなぜ、巨像をつくるのか。

 日本一の巨大埴輪は、水戸市牛伏町の「くれふしの里古墳公園」にある。その名も「はに丸タワー」。高さ17・3メートルで、芝生から生えてきたかのように、堂々とそびえ立っている。

 1998年、合併前の旧内原町が公園のシンボルとして建てた。近くで出土した人型埴輪をモデルにしたという。中には展望台があり、春には周辺の桜を一望できる。

 当時、旧内原町の町長だった大関茂さん(77)は「古代に繁栄した地域だということを生かしたかった」。どうせつくるなら大きく、と日本一を目指したという。「子どもを遊ばせられる場所になってほしい」という思いも込めた。

 所変わって、笠間市の鳳台院(ほうだいいん)。5月に咲き誇るシャクナゲが有名だが、世界最大級の達磨(だるま)大師像がある。

 境内の小高い丘の上に、高さ10メートルの像があった。中国禅宗の祖とされる達磨の重厚な座像だった。

 同院住職の内山貴庸(きよう)さん(41)によると、2001年5月の建立。先代住職が中国に留学した際、達磨が修行した少林寺を訪ね、自分の寺にも達磨の像をつくろうと考えたのだという。

 岐阜県飛驒市の洞雲寺には、高さ8・9メートルの立ち達磨像があるが、こちらはそれより高い。なぜ大きくしたのかについては分からないというが、「珍しいものをつくった方が、人に来てもらえると考えたのでは」と内山さんは言う。SNSなどには、達磨像ととシャクナゲが一緒に写った写真が投稿されているという。

 那珂市の那珂インターチェンジ近くを運転していると目につくのが、「日本一の毘沙門天」と書かれた看板だ。一乗院には、その名の通り、日本で一番大きい毘沙門天像がある。

 行ってみると、寺の入り口に青銅色の大きな像が現れた。立て札に高さは16メートル、「宇宙最強の神」と書いてある。いかめしい顔をして邪鬼を踏みつけるその様は、いかにも強そうだ。災難よけの神だという。

 先代住職の石田雅美(がみ)さん(75)が、巨像の成り立ちを話してくれた。

 巨像をつくったのは、寺の開基800周年を迎えた07年。記念事業を考えていたときに思いついたのが、寺所蔵の県指定文化財、毘沙門天像を大きくすることだった。この毘沙門天像は鎌倉時代に運慶がつくったとされる。息子で現住職の健浄(けんじょう)さん(43)によると、ある日、散歩から帰ってきた雅美さんが突然、「何か大きいのをつくりたい」と言い出したという。

 香川県観音寺市にある高さ10メートルの毘沙門天像より大きくするために16メートルに。総工費は数億円かかった。

 日本一の大きさを目指した理由について、雅美さんは「毘沙門天は最強の神だから、大きい方がいいと思った」。建立以来、この像を見に多くの人が訪れるようになった。

 雅美さんに県内に巨像が多い理由を聞いてみた。「茨城の人は負けず嫌い。だから日本一が好きなのかもね」(林瞬)

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