阪神が背水の陣となった巨人3連戦の初戦を落とし、今季73試合目で自力優勝の可能性が消滅した。

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またしても敵地で返り討ちにあった。阪神が東京ドームで7戦全敗。8年連続負け越し中の宿敵巨人によって、優勝、日本一の公約は風前のともしびになった。

中西 高橋は責められない。巨人の各打者のふところに突っ込んでいってたし、6回無死一、三塁から4番岡本に同点に追いつかれた中前打も詰まった当たりで仕方がなかった。問題は打線だ。これまでも打線の援護が乏しく、巨人菅野も好調ではなかっただけに4回にチャンスをつぶしたのが痛かった。

1点リードの4回1死からサンズの二塁打などで満塁の好機になったが無得点に終わった。

中西 ゲームの流れは阪神だっただけに、あそこで1、2点とれていれば完全に主導権を握っていたはずだ。6回は巨人に一気にたたみかけられたわけで、このゲームに限らず試合巧者ぶりに差を感じた。また攻撃では2点を追う7回の作戦も失敗で流れをたぐり寄せることができなかった。

7回。この回代わった巨人高梨から小幡の遊安と近本四球で無死一、二塁になった。2番梅野が1ボールからバスターエンドランを空振りで二塁走者小幡が三塁でタッチアウト。梅野二ゴロ、糸原も遊ゴロに倒れた。

中西 作戦的にはエンドランの奇襲は有りだった。でも高梨は近本に四球をだした直後で、梅野への初球もボールだった。制球に四苦八苦していたから、ベンチがタイミング的に早まった感は否めなかった。またボール球だったが梅野もバットに当てないといけなかった。巨人とは戦力差というより、組織力に差を感じたシーズンになった。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 7回表阪神無死一、二塁、重盗で三塁を狙った小幡(左)は憤死。三塁手吉川大(撮影・山崎安昭)
巨人対阪神 7回表阪神無死一、二塁、重盗で三塁を狙った小幡(左)は憤死。三塁手吉川大(撮影・山崎安昭)