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<132>住まいのプロが作るくつろぎ空間 「le builds café」 - 朝日新聞社

自分が心地よく過ごせる場所があるかどうか。

 それは生きていく上でとても大切なことだと思う。とはいえ、今の住まいに目を向けてみると、モノが多くて片付いていなかったり、さほど気に入っていない家具を長年使い続けていたりと、思い描く環境とはほど遠いことはままある。ごちゃごちゃした空間のほうが、居心地がいいということも、もちろんあるのだけれども。

 多摩モノレール・泉体育館駅から徒歩約5分、「ららぽーと立川立飛」にも近い場所にある「le builds café(ル ビルズ カフェ)」に足を踏み入れた時、真っ先に「あぁ、こんなおしゃれな場所に住めたらいいのに」と思った。

 外観は白くシンプルな建物だが、一歩中に入ると、ヨーロッパのおしゃれなカフェのような空間が広がっている。食器が美しく飾られた棚に、壁一面の大きな本棚。テーブルやダイニングチェアはあえていろんな素材やデザインのものを組み合わせているが、それがまた個性となり、より魅力的に見える。

<132>住まいのプロが作るくつろぎ空間 「le builds café」

 店の右奥はガレージを活用した空間で、大きな丸テーブルやソファー席が配置されている。大勢で集まることができるため、ソファー席は予約が多い人気席だという。

 この店は住宅街の一角にあり、駅から近いわけでもない。「なぜこんなところにカフェが?」という疑問が浮かぶが、実はこの店、インテリアを含めた住まいづくりを提案するビルズ東京という会社が2018年3月から運営する、カフェ兼ショールームなのだ。

 施工とインテリアコーディネートを図面づくりの段階から同時に行うのが特色の同社。長年建築業界に携わっていた代表の細渕正人さん(45)が、住む人が本当に心地よいと思える空間を提供するために独立して立ち上げたという。

「はじめにオフィスを作ったのですが、近所の人からすれば何をしている会社か分かりづらかったかもしれません。そこで、地域の人と少しでも関わりを持ちたいと思いました」

 同社スタッフの廣瀬望帆(みほ)さん(30)は、そう振り返る。オフィスの隣の土地が空いた時、自分たちのことをもっと知ってもらうきっかけとなるような場所を作ることになり、廣瀬さんは立ち上げから関わることになった。

「その土地を使って、私たちがやっていることを発信できるコンセプトショップを作ろうということになりました。そこで、人々が集まるコミュニティカフェ兼インテリアショップという形ができたのです」

<132>住まいのプロが作るくつろぎ空間 「le builds café」

 1階をカフェに、2階をショールーム兼インテリアショップにした。階段を上がると、カルテルやル・コルビュジエの家具をはじめとした、さまざまなインテリアアイテムがずらりと並ぶ。オープンキッチンやバルコニースペースも設置し、モデルルームの機能も兼ねている。ここで収納セミナーなどの無料イベントや、器やタオルなどの生活雑貨の展示販売を行っているという。

 1階で大きな存在感を放つのは、壁一面の本棚。棚のところどころに雑貨や植物が置かれており、変化に富んでいる。また、表紙が見えるように飾られた本や雑誌のセレクトがいいせいか、アート作品のように見えてくる。

 これらの本や雑誌は、細渕さんや廣瀬さんの蔵書をベースに、店のオープンから少しずつ買いそろえていったもので、店内で自由に閲覧できる。インテリアやデザイン関係の書籍が多く、料理など暮らしをテーマにした本も多い。本棚沿いのテーブル席は人気で、よく一人客がここで本や雑誌を読みながら、くつろぎの時間を過ごしているという。

<132>住まいのプロが作るくつろぎ空間 「le builds café」

 廣瀬さんに飲食店の経験はないが、空間づくりに関してはプロ。二級建築士とインテリアコーディネーターならではのセンスが随所に光り、真似したくなるものばかり。店内の家具や雑貨、照明などの大半は購入可能なので、早速自分の部屋に取り入れることもできる。

「メニュー開発や接客などは未経験で手探り状態のところもありますが、お客さんが少しずつ増えていき、ここでくつろいでくださっているのを見ると、とてもうれしいです」

 オープン当初はビルズ東京という会社のことを全く知らなかった近隣の人たちも、カフェやインテリアショップを介して、どんなことを目指している会社なのかということを知るように。そして、新築やリフォームの相談を受けることも増えてきているという。

「家のどこかに、ゆったりとした時間が流れている瞬間や場所ってあると思うんです。家造りを考えている人には、ぜひそういう、世界に一つだけのスペースを作ってほしいと思いますし、お気に入りのものを身近に置くだけでも違ってくるはず。このカフェでもそんな気分を味わうために、足を運んでもらえたらいいなと思っています」

<132>住まいのプロが作るくつろぎ空間 「le builds café」

■おすすめの3冊

『ティーマがあれば 北欧の白い皿に盛るレシピ』(編/NHK出版)
フィンランドのイッタラ社で不朽の名作シリーズとして知られる「ティーマ」。シンプルな白い皿に合うレシピや盛り付け方、ティーマを愛用する人々の様子などを詰め込んだ一冊。「ティーマはお店でも使っている食器です。丈夫なので電子レンジやオーブン、食洗機でも使えます。ティーマの素敵な使い方がいろいろと載っていて、すごく参考になります」

『ル・コルビュジエ パリ、白の時代(エクスナレッジムック)』(編/X-Knowledge HOME)
いまもパリに残るル・コルビュジエの白の住宅を特集したムック。「代表の細渕がル・コルビュジエに強い影響を受けていて、本棚に専用コーナーがあります。このムックはコルビュジエの歴史や手掛けた建物、都市計画などがすごくよくまとめられていて、コルビュジエを知りたい人におすすめです」

『ガレージのある家BEST100 Vol.6』(編/NEKO MOOK)
建築家や住宅メーカーなどが設計したこだわりの家の実例集。ガレージハウスのアイデアが詰まっている。「うちのお店にもガレージコーナーがあるのですが、単に車を停める場所じゃなくて、趣味の空間として自由に使えます。私たちもガレージハウスは力を入れていて、このムックで施工例として取り上げられているのでぜひ見てみてください」

    ◇

le builds café(ル ビルズ カフェ)
東京都立川市栄町6-12-8
https://builds.co.jp/cafe

(写真・山本倫子)

>>写真の続きは画面下のギャラリーをご覧ください

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    PROFILE

    吉川明子

    兵庫県生まれ。コンピューター・デザイン系出版社や編集プロダクション等を経て2008年からフリーランスのライター・編集者として活動。旅と食べることと本、雑誌、漫画が好き。ライフスタイル全般、人物インタビュー、カルチャー、トレンドなどを中心に取材、撮影、執筆。主な媒体に週刊朝日、アサヒカメラ(「写真好きのための法律&マナー」シリーズ)、婦人公論、BRUTUS、mi-molletなど。
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