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日揮グループが「ピープルデー」開催、社員がつながる場を作る - 日経BP

小林 暢子

日経BP 総合研究所 主席研究員

日揮グループは、2024年5月22日に「JGC People Day」を開催。ハイブリッドで海外拠点も含むグループ社員が集い、企業風土について考えたり、人事制度を知ったりする機会となった。

 人と組織に関わる課題がこれほど多く、経営への影響が強くなっている時代はこれまでなかったと言っても過言ではないだろう。人的資本への関心が世界中で高まる中、経営者は企業価値の向上に資する人的資本の在り方を真剣に考え始めた。また残業規制を厳しくした法改正や、コロナ禍でのリモートワーク普及の影響で、働き方は大きく変わり、人事部門はその定着に追われている。そして職場でも、新しい働き方を前提とした人材育成やコミュニケーションに試行錯誤を続けている。

 経営者、人事部門、職場のそれぞれが、変化に対応する努力を重ねているが、それが全社で共有されているとは限らない。相互理解が不十分では、優れた取り組みも広がらないし、ストレスの種にすらなりかねない。人と組織に関わる課題を共有し、社内の様々な場所で始まった施策や取り組みを広げ、同じ目的に向かって全社が歩を進めるために何をすればいいのか。そのヒントを探るため、日揮ホールディングス(HD)が2024年5月22日に開催した「JGC People Day」を訪問した。

アワード受賞式を大いに盛り上げたCHROの演出

 「“人こそ財産”と言われる日揮グループで、“社員の想い”を籠めた“会社の羅針盤”を共有し、よりイキイキと働けるきっかけを届ける日にしたい」ーー。People Dayの「言い出しっぺ」である日揮HD花田琢也専務執行役員CHROは、開催に先立ち、全社にこんなメッセージを発信した。

 People Day当日の朝、会議室には本社勤務の約200人の社員が集い、オンラインで参加する社員も500人を超えた。佐藤雅之代表取締役会長CEO、石塚忠代表取締役社長COOに続いて壇上に立った花田CHROは、中長期的な人材育成のマイルストーンを示した「人財グランドデザイン2030」について資料を投影しながら説明。と、画面上には急に、コブクロの楽曲「バトン」の歌詞が映し出された。「リレーのバトンのように、日揮の文化を次の世代に受け渡していこう」と花田CHROは社員に語り掛けた。

本社会議室には約200人の社員が集まった。佐藤会長、石塚社長に続き、壇上に立った花田CHROは「人財グランドデザイン2030」を解説した(写真提供:日揮ホールディングス)

本社会議室には約200人の社員が集まった。佐藤会長、石塚社長に続き、壇上に立った花田CHROは「人財グランドデザイン2030」を解説した(写真提供:日揮ホールディングス)

 続いてリクルートワークス研究所主任研究員の古屋星斗氏が壇上に。『ゆるい職場ー若者の不安の知られざる理由』(中央公論社)など若者の就労観を分析した著書で知られる同氏は、「働き方改革などの影響で、人材育成には未曽有のパラダイムチェンジが起こっている」と説いた。残業が減り、パワハラ上司がいなくなって働きやすい職場になったが、若手の退職率は改善していないというデータを引用しながら「このゆるい職場で自分は成長できるのかという不安が退職を後押しする。不満はないけど不安がある」という古屋氏の言葉に、うなずく社員の姿も見られた。

 午前最後のセッションは「JGC HR AWARD 2024」。社員の自主的な取り組みの中で、人や組織の活性化につながっているものを表彰するイベントだ。事前に全社から案件を募集し、5件が最終審査に残った。技術部門でのノウハウ共有サークル、技術士を目指すグループ社員の勉強会、障がい者雇用の特例子会社、社内乾杯コミュニティー、社内野球大会の5件で、それぞれ代表者が壇上でプレゼンを行った。歴史ある取り組みもあれば、立ち上がって日が浅いものもあったが、プレゼンを聴講する社員からは「へえー、そんなことやっていたんだ」と驚きの声も漏れ、アワードによって認知度が上がり、関心を集める効果は十分にあったようだ。

 聴講者の投票により、障がい者雇用の特例子会社である日揮パラレルテクノロジーズが最優秀賞に、ノウハウ共有サークルが優秀賞に選出された。表彰式には花田CHROが首に赤いタオルをかけて現れ、故アントニオ猪木氏よろしく「元気ですかー!元気があれば何でもできる」と絶叫。アワードの参加者とともに「1、2、3、ダーッ」と腕を振り上げ、最優秀賞の日揮パラレルテクノロジーズ阿渡健太代表取締役社長に赤いタオルを渡した。聴講者も交え、写真撮影した瞬間はこの日一番の盛り上がりを見せた。

「JGC HR AWARD 2024」の表彰式。赤いタオルが花田CHROから優勝者に手渡され、会場は大いに盛り上がった(写真提供:日揮ホールディングス)

「JGC HR AWARD 2024」の表彰式。赤いタオルが花田CHROから優勝者に手渡され、会場は大いに盛り上がった(写真提供:日揮ホールディングス)

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