ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
ノートPCの余剰ドライブを流用して作る格安のBlu-rayドライブケース~アーキサイト「AS-EXUSU3」レビュー
TEXT:山口真弘(ITライター)
PCが壊れるなどして廃棄する際、使える部品を取り外して再利用するのは、デスクトップPCでは至って普通ですが、ノートPCでももちろんそれは可能です。中でも狙い目なのは、メモリやSSD、さらに光学ドライブでしょう。
最近のノートPCは、光学ドライブ(DVDドライブ、Blu-rayドライブ)を搭載しない製品が増えており、光学ドライブ必須という条件があると、製品の選択肢が途端に少なくなります。別途買い求める方法もありますが、手元に余っているバルクのドライブをタダで再利用できるならば、それに越したことはありません。
こうした場合に重宝するのが、光学ドライブを外付化できるドライブケースです。今回は、アーキサイト社が「ARCHISS」ブランドで販売している製品を買って試してみました。
特にBlu-rayドライブはこの価格ではなかなか手に入りませんので、非常にお得です。今回使用したのはトレイ式のモデルですが、形状が合致していれば、スロットローディング式のモデルにも対応します。
気をつけたいのは厚みです。こうしたノートPC内蔵のスリムドライブは、厚みが7mm、9.5mm、12.5mmと3種類があり、本製品は9.5mm厚のスリムドライブに対応します。7mmを取り付けようとするとスカスカ、12.5mmを取り付けようとすると収まりませんので、事前によく確認しておく必要があります。
なお今回は廃棄するノートPCから取り外す前提で紹介していますが、ノートPCの光学ドライブが入っていたベイ(スロット)にSSDを増設し、行き場所がなくなった光学ドライブを外付化して活用するという用途にも重宝します。むしろそちらの目的で本製品を買い求めている人のほうが多いかもしれません。
その点、これまで使い慣れた光学ドライブと、その添付ソフトをそのまま流用するならばリスクも減ります。使い勝手がそのままなのもメリットでしょう。特に何らかの事情で古いOSを使い続けざるを得ない場合、相性問題を回避するには安全確実な方法です。
ちなみに取り出し方法は若干変わっていて、本体後部にある三角形のモールドにタッチすることによって行います。一般的な外付け光学ドライブは、挿入口付近にスイッチがあることが多いのですが、本製品は正面からドライブを挿入してベゼルをはめ込む構造上、正面寄りにはスイッチを搭載する余地がなく、こうした仕組みになっていると見られます。
注意点があるとすれば価格でしょう。本製品は実売2千円前後と、キットではない完成品を買うよりもはるかにリーズナブルですが、流用できる光学ドライブが手元になく、バルク品を新たに買い求めなくてはいけないのであれば、最初から完成品を買ったほうがたいていは安上がりです。
特に完成品には、Blu-rayの再生ソフトや書き込みソフトが添付されていることが多く、それらが必要であれば、敢えて本製品を選ぶ意義はないでしょう。前述のドライブの厚みの問題も含め、安く上げようとして、結果的に高くついてしまうことがないようにしたいところです。
山口 真弘(やまぐち まさひろ)
ITライター。PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など。Twitter:@kizuki_jpn
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March 31, 2020 at 09:01AM
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