Search This Blog

社説 春闘本格化 格差是正につなげねば - 信濃毎日新聞

 働く人の賃金をどう底上げし、正規雇用と非正規雇用、大企業と中小企業の格差の是正につなげるか―。主要企業の労使が意見を交わすフォーラムが始まり、春闘が本格化した。

 連合と経団連の会長の会談では賃上げの必要性については一致した。ただ、どういう形で賃上げをするかは考え方に開きがある。

 連合は、基本給を一律に引き上げるベアの水準を2%程度とし、全体の底上げを求める。経団連側は、手当や賞与を含め、各社の事情に応じて検討する姿勢だ。全社員一律の賃上げでなく、職務や業績、成果に応じた配分を検討すべきだとの考えも示している。

 中国の成長鈍化などを背景に世界経済の減速傾向が目につき、国内でも消費増税や自然災害で景気の先行きは不透明さを増す。ここへきて新型肺炎の拡大による打撃にも懸念が広がっている。

 とはいえ、それが賃上げを渋る理由にはならない。国内企業の内部留保は460兆円を超すまでに膨らんでいる。一方で、従業員に還元した割合を示す労働分配率はここ10年、下がり続けてきた。

 非正規の労働者が増え、給与の水準が上がっていないことは、個人消費が伸び悩む原因にもなっている。賃金の底上げがなければ、景気の後退に拍車がかかりかねない。働き手に還元する余力は、多くの企業にまだあるはずだ。

 連合は今回、底上げとともに「底支え」として、企業内で最低賃金の協定を結び、時給1100円以上に設定することを求める方針を掲げている。雇用形態による賃金の格差を埋めようと金額を具体的に示した。

 4月からは、正規と非正規の不合理な待遇格差を認めない「同一労働同一賃金」が大企業に導入される。非正規雇用は働く人全体の4割近くを占め、家計の主な担い手である場合も少なくない。依然として大きい格差の是正は春闘で最も力を入れるべき課題だ。

 経団連は今春闘の交渉指針で、新卒の一括採用、終身雇用、年功序列の賃金体系といった日本型の雇用の見直しを打ち出した。業界横並びの賃金交渉は実態に合わなくなった、とも述べている。

 デジタル技術の進展や経済活動のグローバル化で、企業を取り巻く状況は大きく変化している。雇用のあり方にも影響が及ぶのは避けられないとしても、それを理由に働く人の処遇をおろそかにしてはならない。その前提に立って、労使双方が誠実に議論、交渉に臨んでもらいたい。

(1月29日)

Let's block ads! (Why?)



"具体的に" - Google ニュース
January 29, 2020 at 07:20AM
https://ift.tt/2RDGADj

社説 春闘本格化 格差是正につなげねば - 信濃毎日新聞
"具体的に" - Google ニュース
https://ift.tt/30xhk4e
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "社説 春闘本格化 格差是正につなげねば - 信濃毎日新聞"

Post a Comment

Powered by Blogger.