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『チェコに学ぶ「作る」の魔力』あまのさくや著(かもがわ出版) 1760円 - 読売新聞オンライン

 絵はんこ作家である著者の手によるイラストやマンガがふんだんに盛り込まれた 可愛かわい らしい本だ。しかし内容はかなり骨太である。

 そもそも最初に紹介されるのが、小さな村のワインショップの地下にある巨大通路である。ツルハシで手掘りしているというそれは、別に人に見せるために作っているわけではないらしい。また、強制収容所のあった街・テレジーンで著者は、ユダヤ人の少年たちが手作りしていた雑誌VEDEMに出会う。劣悪な環境の中でも作ることをやめなかった彼らの“生の記録”に心を打たれる。

 「(人間は)人生の中で(家を)3軒くらい作らないとよくない」、「自分が生きやすいように生き方をコントロールできれば、どこにでも生きられる」等々、チェコの人々の創造性と哲学に圧倒される。それらを伝える著者の筆致からは、作ることへの敬意と誠実さが伝わってくる。

 作ることは、自分の生命の根源に触れることなのかもしれない。「体や手に宿った『作る』力は、そう簡単に他者には奪われない」という著者の言葉に、私も大いに励まされた。

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