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社説 千曲川の管理 一元的な体制が必要だ - 信濃毎日新聞

 「縦割り打破」を掲げる政権であれば、この問題にも力を入れるべきではないか。

 場所によって管理主体が国と県に分かれている千曲川について長野県と新潟県が国による一元的な管理への移行を求めている。両県の知事が先日、そろって国土交通省を訪れて要望した。

 河川の治水対策は、流域全体を意識しながら整備を進める必要がある。管理が分かれていると調整に手間取り、効果的な対策を早く実施する上で障害になる。

 災害時に増水情報などを流域の市町村や住民に迅速に届けるためにも、上下流を見渡した管理体制が求められている。

 赤羽一嘉国交相は両県の要望に「研究する」としただけで、具体的な対応に触れなかった。

 国交省の担当課は「人員に限りもある」などと説明する。進まない背景には、国機関の人員や財政面の課題があるのだろう。

 気候変動で洪水が多発する時代に入った。昨年の台風19号災害では、遠く離れた上流に降った雨の水が時間差で下流を襲い、一元的な管理の必要性を印象づけた。国は問題を放置せず、具体的な検討に踏み出すべきだ。

 東北信地方を貫き、新潟県で信濃川と名称を変え日本海に注ぐ千曲川は、全国最長の1級河川だ。原則として国の管理だが、部分的に外れる区間があり、長野県は長年、国に解消を求めてきた。

 今回の要望対象は、県境をまたぐ飯山市から十日町市まで約40キロの区間。これ以外にも、川上村から上田市にかけての約104キロ区間が県の管理となっている。

 国管理の1級河川で中間に管理が外れる「中抜け」区間があるのは、全国でも少数だ。国は「人口が多い重要な場所」を国直轄にしていると説明するが、一元管理しない理由になっていない。

 菅義偉首相は治水分野で、水力発電や農業用のダムも事前放流で洪水防止に役立てるようにした政策転換を縦割り打破の象徴に挙げる。河川管理も既存の枠組みに固執しない対応を望みたい。

 国交省は今年、中長期の方針として「流域治水」打ち出した。ダムや堤防だけでは激化する降雨への対応に限界があるとし、遊水地や田んぼなど、流域全体で雨水を一時的にためておける場所や施設を活用する考え方だ。

 自治体をはじめ、住民や企業を含む流域のあらゆる関係者にどう理解を得ていくかが重要になる。そのためにも、まずは本流の管理の壁を取り払うべきだ。

(10月30日)

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