育児や家事、仕事などで時間に追われる毎日。さらに追い討ちをかけるのがホルモンバランスの変化や更年期などによる心身の乱れ。子どもは言うことを聞かないし、天気が悪いと体調を崩すし、SNSからはなんだか不穏なニュースが流れてくる……。残念ながらオトナの女性にとって「不機嫌」にならざるを得ないことが世の中には溢れています。
デビュー当時からずっと変わらないハッピーな雰囲気を纏い、タレントとして幅広くテレビやラジオで活躍中の渡辺満里奈さん。2005年にお笑い芸人の名倉潤さん(ネプチューン)と結婚。健やかに育った息子さんと娘さんは現在ともにティーンエージャーに。家事に仕事にと充実しつつも、忙しい毎日を送りながら、常に笑顔で幸せオーラで輝いて……。
そんなハッピーなイメージの満里奈さんも、50代に突入。実は私たちと同じで「不機嫌」だった!?
オトナになるのは、誰もが初めてのこと。肉体的にも精神的にも初めて訪れる変化に不安を感じる女性たちにそっと寄り添い、一緒に闘ってくれる満里奈さんのエッセイ!
第8回のテーマは「料理」。
家族のために料理を作ること。どんなに年を重ねてもなくなることのないルーティンに、憂鬱になってしまう人は少なくないはず。満里奈さんにとっても実は同じ。そんな時、彼女が思うこととは……?
#08 料理と不機嫌
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この原稿を書いている午後2時。私はユウウツになっています。なぜならあと3時間くらいしたら夕食の準備を始めなくてはいけないのに、まだメニューが決まっていないから。毎日毎日毎日、飽きもせず、今日は何にしようか悩んでいます。買い物に行く前にお弁当を含めた3日分のメニューを考えて出かけられたときは心底ホッとします。ああ、3日間考えなくていい、と。
やる気があふれる時もあるし、どうしてもやる気が起きない時もあります。家族のため、子どものためにと料理へのやる気みなぎる写真をわんさか載せたSNSなどを見ると、「ああ、すごいな」「私にはできないわー」「そのやる気とセンスと細やかさをください!」と落ち込んだりします。家族を思って頑張れない私はダメ人間だと。
デリバリーやお惣菜に頼るときもありますが、なぜかそんなに食べる気が起きません。自分の料理が美味しいからというわけではなく、どんなに有名で美味しいお惣菜やお弁当でも、家での夕食となると何か違う感じがしてしまうのです。例えば、ピクニックとか持ち寄りパーティーなどの非日常では美味しくいただけるのだけど。「慣れ」というものもあるのでしょうか。
1品は電子レンジでチンするだけという、よさげなスーパーのオリジナル惣菜なんかを(お惣菜だと言わずに)食卓に並べることもありますが、家族の食が進まず「くぅ……これはダメなのか!?」と敗北感を覚えることも。なんだ、敗北感って。
こちらはなんとか手間抜きで!と思っても、やはり家族にも「慣れ」があるんですかね。そういえば私もどんな豪華な食事より、忙しい母が作っていた何でもない野菜炒めがものすごく美味しかった記憶があります。舌は複雑なのか、単純なのか。
子どもたちは、小さいころと違って食べられるものも増えたけど、料理教室で習った、見た目も味もばっちりのおしゃれすぎるお料理は敬遠される。量を作りすぎて食べきれないと、申し訳ない空気が流れて私の空回りぶりが際立つ。毎日「うまいうまい!」と言われるのは理想だけど、日常はそんなものではないのはわかっています。
なぜ母親ばかりがご飯を作らなくてはいけないのか!
からの記事と詳細 ( 渡辺満里奈と家族のための料理「結婚して19年。なぜ今こんなにご飯を作ることに疲れてしまっているのか」#08 - with online )
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