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岸田文雄新総裁 自民党の変化、具体的に示して - 毎日新聞 - 毎日新聞

自民党総裁に当選し、立ち上がり拍手に応える岸田文雄前政調会長=東京都港区で2021年9月29日午後3時3分、梅村直承撮影 拡大
自民党総裁に当選し、立ち上がり拍手に応える岸田文雄前政調会長=東京都港区で2021年9月29日午後3時3分、梅村直承撮影

 つい1カ月前まで衆院選惨敗の影におびえていた自民党は、「本命不在」といわれた総裁選をしたたかに利用し、局面を変えることに成功した。大方の予想を覆し、岸田文雄氏が1回目の投票でトップに立ったことで、同氏の正統性も強まったといえる。しかし、党の顔が変われば、8年9カ月にわたる安倍・菅政権の負の側面が無条件にリセットされるわけではない。

 岸田氏が勝利した背景として、菅内閣の支持率が下落し続けた時期も、自民党の支持率は比較的高いままだったことが挙げられる。総裁選告示後の18日に毎日新聞が実施した世論調査では、同党の支持率は8月の26%から37%に上昇し、立憲民主党など野党は伸びていない。こうした中、外相や党政調会長を歴任した岸田氏の安定感に自民党内の支持が集まった。河野太郎氏は発信力に定評がある半面、時に強引な言動が目立ち、来年夏の参院選への影響を懸念した参院自民党側は敬遠した。

 政治信条が違う4人が立候補し、うち2人は女性だったことで政策論争の幅は広がった。各候補は選択的夫婦別姓や教育の機会拡大、年金制度改革など若者を意識した主張にも力を注ぎ、お株を奪われた野党は危機感を強めている。

 新型コロナウイルス禍の中、総裁選につきものの露骨な党内抗争は表面化しなかったが、一皮めくれば派閥の論理が見え隠れした。最大派閥の細田派に影響力を持つ安倍晋三前首相や麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相の支持を期待した岸田氏をはじめ、どの候補も派閥横断で支持を広げる思惑から長期政権の総括には及び腰だった。森友学園への国有地売却、桜を見る会、日本学術会議の会員任命拒否などの問題には今も有権者の厳しい視線が注がれている。安倍氏と菅義偉首相の政治手法に対する評価をもっと正面から語ってほしかった。

 岸田氏は29日、「生まれ変わった自民党をしっかりと示し、支持を訴えていかなければならない」と呼びかけた。それならば、まずは党役員と閣僚人事で岸田色を出し、首相就任後の所信表明演説で変化を具体的に説明したうえで、衆院選に臨むべきだ。「国民の声が政治に届かない」という危機感が本物かどうかは、岸田氏の今後の政治姿勢にかかっている。【政治部長・中田卓二】

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