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2021年のAIトレンドが発表 作る側も使う側も考えるべき「バイアス」とは - Ledge.ai

【PR】本記事はAppier Inc.のスポンサードコンテンツです。

AIテクノロジー企業であるAppier(エイピア)は今年2月、「2020年のAIトレンドと2021年の予測」を発表した。この発表内容では、AppierのチーフAIサイエンティストであるミン・スン氏が新型コロナウイルス感染拡大の影響によって大きく進んだ2020年のAI活用や、2021年に予測されるAI技術の進化および社会変化を述べている。

>> Appier、「2020 AIトレンド&2021 予測」を発表

そこでLedge.ai編集部は、Appierが発表した「2020年のAIトレンドと2021年の予測」の内容をもとに、今後AI業界で注目されるさまざまな変化や事柄についてミン・スン氏に話を聞いた。

国内外の多くの企業を支えるマーケティングプロダクトを提供

本編に入る前に、Appierについて紹介したい。

AppierはAIを活用して、企業のビジネス課題解決を支援するAIテクノロジー企業だ。同社では、主にマーケティング領域を対象としたさまざまなAIソリューションを提供している。

たとえば、アーバンリサーチアウトレットやピザハットなどのECサイトでは、Appierのウェブ接客ツール「AiDeal」が使われている。AiDealは、ECサイトなどにおいて、リアルタイムでユーザーの行動パターンを把握し、マウスの動きやスワイプの軌道などから、ユーザーが購入する可能性を算出し、クーポンなどのキャンペーン効果を最大化させるソリューションだ。

Appierの公式サイトによれば、アーバンリサーチアウトレットがAiDealを使ったことで、スマートフォンによるコンバージョン率は142%、PCでのコンバージョン率は116%上昇し、収益は70%も増加させたそうだ。

AiDealのほかにも、カスタマーエンゲージメントプラットフォームである「AIQUA」や、データサイエンスプラットフォーム「AIXON」なども提供しており、Appierのもつプロダクトを利用している企業は国内外問わず数多い。

Appierの公式サイトでは、各プロダクトの詳細や導入事例の紹介、さらには「最適なレコメンデーション戦略のためのパーフェクトガイド」「AI×マーケティングで真のオムニチャネル体験を実現する方法とは?」などのホワイトペーパーも閲覧できるので、マーケティング領域でのAI活用を検討している方は、ぜひともチェックしてみてほしい。

最悪なのは「決断が遅くなることと、決断をしないという決断をすること」

上記のようなマーケティング領域に強く、さらには最先端のAIテクノロジーを追求するのがAppierだ。このAppierのチーフAIサイエンティストであるミン・スン氏が発表したのが、本稿の主題である「2020年のAIトレンドと2021年の予測」だ。

まずは2020年におけるAIトレンドについてミン・スン氏の振り返りをまとめていきたい。

最初にミン・スン氏は、「新型コロナウイルス感染症とは、AI技術を駆使して戦っていく必要があります 」という。これは医療方面などの話だけではなく、AIをはじめとするデジタル技術を駆使して生活する必要がある、という意味合いだ。実際、教育現場ではオンライン授業などをはじめ、非接触でのソリューションが拡大し、新たな生活様式が急速に広まった。

また、「2020年はIT企業がかなり優位になりました」とミン・スン氏は続ける。これは、「IT企業は必要とされるソリューションを提供可能かつ、多くの企業がデジタルを駆使してさまざまなことに対応するようになったから」だそうだ。そして同氏は「2021年はすべての企業が自社をIT企業として捉えるべきであり、テクノロジーを高度に利用し、より多くのデータを収集し、AIを戦略的に使うことが重要です」と予測している。

AIを戦略的に使うことが重要だというが、日本においてはどういった点に気を付けるべきなのだろうか。これについてミン・スン氏は次のように話した。

「新型コロナの後のDXは、元には戻りません。コロナ禍でビジネスが悪化したとしても、それが元に戻る可能性は低いと思います。すべての企業は、データと市場の既存のソリューションを活用する戦略を真剣に決定する必要があります。スピードも非常に重要で、決断が遅れたり、決断しなかったりすることは最悪の決断です。オープンマインドでいること、部分的な情報の下で合理的な判断を下すこと、そして迅速に変化を起こすことが重要です」

くわえてミン・スン氏はデジタル技術の全体像に関してだけでなく、個々のAI技術についても2020年は大きな革新があったという。そのひとつが「画像認識」だ。教師なしメソッドである「SimCLR」が提案されたことで、少ないアウトプットで画像を認識できるようになっている。

もうひとつのAI革新は「自然言語処理」だ。こちらは、「GPT-3」の登場が大きいとみている。GPT-3は、言語理解、言語生成においてほかのモデルをかなり上回るパフォーマンスを示し、言語モデルとして初めて1千億個を超えるパラメーターを利用するモデルだとミン・スン氏は話す。また、医療方面においても、「たんぱく質フォールディング」という、医薬品の設計や新型コロナウイルス感染症などの病気への理解など、化学的な発見が可能になった技術も注目を集めた、とまとめた。

GPT-3は、大学の授業4科目のうち3科目に合格したという報道もあった

2021年のAIトレンドは「自然言語処理」「人間中心AI」「より少数のインプットに基づく学習」

そして、ミン・スン氏は2021年のAI業界におけるトレンドは3つあるという。

自然言語処理

「生物医学の分野での自然言語処理モデルの利用増加です。ハーバード大学の研究によると、AIに対してテキストを読むのではなく、生物学的な配列を読み込ませることで、新型コロナウイルス感染症の変異を予測することが可能になるということがわかっています。これにより現実世界において変異を念頭に置いて備えることができるということです」(ミン・スン氏)

ミン・スン氏はこの予測だけでなく、「各分野でのコラボレーションが進む」ともいう。言語でインプットし、画像でアウトプットするなどが考えられるそうだ。これは、OpenAIがすでに発表していて、たとえば「犬を散歩させている、チュチュを着ている赤ちゃん大根のイラスト」と入力すると、それに沿ったイラストがいくつも作成されるというものである。この技術には先に紹介したGPT-3が活用されているのもポイントだと話す。

人間中心AI

ミン・スン氏が主張するのは「開発されたAIのエンドユーザーは人間であることから、研究者はAIの開発にあたって人間を中心に据えなくてはならない」ということだ。この考え方を踏まえ、技術面見てみると
・安全な利用に向けていかに保証付きのAIを開発するか
・人間が利用できるよう、どのようにAIに自身の行動を説明させるか
・人間とのやり取りをとおして、AIにどのように効率的に学習させるか
の3分野に注力させていくだろうとしている。

さらには、2021年は単純に人間を中心とするAIだけでなく、人間の行動に対してより感度の高い察知力をともなう「環境知能」も普及するだろうと同氏は予測している。これは、病院に設置されているセンサーを分析することで医療過誤の予防につながり、特定の患者の状態が悪くなったときにアラートを出すといったこともできるようになると考えているそうだ。

より少数のインプットに基づく学習

3つ目は、より少数のフィードバックからAIが学習可能になるだろうと予測した。

10年ほど前は、専門家がルールを作っていたものの、非常に複雑かつ未完成であった。その後、機械学習に移行が進んだが、データの収集にコストがかかったり、エンドユーザーの目的を果たせなかったりという課題があった。そのため、ミン・スン氏は「機械学習がシステムから学ぶことが重要で、その際に数人から直接フィードバックをもらい、最終的にそのフィードバックに基づいて学習させることによってよりパーソナライズしたサービス・結果が実現されること」を予想している。

さらには、「これまで以上の 数のデバイス上でAIが効果的に用いられ、時計やメガネなどのウェアラブルデバイスや、ドアベルに設置されているカメラなどの据え置き型デバイスなどにおいてもAIが普及していくでしょう 」とミン・スン氏は話す。日本の事例においては、クリア電子株式会社という企業が「子どもの近視を防止するAI搭載の眼鏡」を発表したなど、身近なところでのAI導入はますます進んでいくだろうとも同氏はいう。

画像は「子どもの近視を防止するAI搭載の眼鏡」を販売するクリア電子株式会社より

AIを作る側も使う側も考えるべき「バイアス」

ミン・スン氏はこれまで話してくれたトレンドなどにともなう課題として「バイアス」問題を掲げた。これは、AIは人間が作っており、活用されるデータは人間が収集したものであるため、AIにバイアスがかかっていることは当然である。この対策として、データやアルゴリズムにどのようなバイアスがあったのかを“監視”することが必要になってきているとミン・スン氏は続ける。

さらにミン・スン氏はバイアス問題を踏まえつつ、AIを作ったり、使ったりする人は何を考えるべきかという問いに対し、次のように話してくれた。

「完璧なAIシステムは、すべてを包括し、偏りのないものでなければなりません。しかし、これを実現するまでには、偏りのないデータの収集やAIシステムの修正に多くの労力を要します。研究論文では、バイアスを測定し、AIシステムのバイアス問題を軽減する方法が紹介されています。

しかし、多くのアプリケーションでは、偏ったAIシステムであっても一定の価値を発揮することができます。たとえばマーケティングの場合、それは特に顕著です。短期的には、偏りを活用して売上を伸ばすことも実際に可能です。たとえば、特定のタイプの人が自社製品を最も好むという偏った情報は、避けるのではなく活用すべきです。長期的には、その偏りを測定し、製品の売上をさらに伸ばすための別の機会を探る努力をする必要があります」

また、「バイアスによってどのような影響が出るのかを分析し、できるだけその影響が大きくならないよう、データの収集プロセスの見直しや、バイアスの少ないデータを集めること、アルゴリズムを公平にするといった調節が必要になってきます」とも語った。

AIが身近なものになる日

最後に、ミン・スン氏に「AIを意識せず使うような、生活に浸透するには何をどうすればいいと考えているか」と聞くと、次のように回答された。

「技術の存在を意識しなくなるのは自然の流れなのです。AIが最初に利用されたのは、レコメンドシステムや検索エンジンです。これらのシステムが展開された当初、消費者にとっては魔法のようなものと思われたかもしれません。しかし、やがて人々はこれらのシステムは当たり前のものになり、裏にあるAIという技術には関心を示さなくなります。

重要なのは、人々が非常に満足して毎日使ってくれるような、適切なUX/UIデザインが適用されたAIシステムを構築することです。そうすれば、自然とこのシステムは私たちの社会や生活の一部になっていくでしょう」

Interviewee
MIN SUN(ミン・スン)
Appier チーフAIサイエンティスト

2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。2014年に国立清華大学の准教授に就任。
2015年から2017年には、CVGIP(Computer Vision Graphics and Image Processing)Best Paper Awardsを3年連続で受賞。専門分野は、コンピュータビジョン、自然言語処理、深層学習、強化学習。
2018年には「研究者には肩書きよりもデータが必要」と感じ、AIテクノロジー企業AppierにチーフAIサイエンティストとして参画。新製品の開発、既存製品の機能改善のほか、記述的な課題解決を行う。

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