元コンサル教授×東大生「頭の良さ」対談:後編
コンサルタントとしてビジネスの最前線で戦ってきた大学教授と、偏差値35から奇跡の東大合格を果たした現役東大生に共通する「思考の習慣」とは?(撮影:梅谷秀司)
自分の頭で考えることは意外に難しい。頭の良い人は、頭をどう使っているのか? 本質的な解にたどり着くには具体的にどうすればよいのか?
勉強もビジネスも計画がすべて
西岡壱誠(以下、西岡):東大受験時代、一気に点数が上がるきっかけになった出来事がありました。ある人に「西岡、『どうしてこうなるのか答えなさい』という問題が出たら、理由は1つだけじゃなく、2つ以上考えて答えないといけないよ」と言われたんです。僕はそれまで、1つ理由を書いて満足していたので驚きました。
それからは、1つの問題に対して、理由を2つ、3つと考えるようにしたのです。これは平井先生が『武器としての図で考える習慣』で書かれていることと似ているなと。
平井孝志(以下、平井):余白をにらむことで、強制的に、多面的に考えて、論理構造を少し深くするということですね。その基礎力は、ビジネスでも生きるんですよ。ビジネスの世界は、誰からも問題を与えられませんから、自分で問題設定をしなければなりません。ですから、論理構造を見て、どこが問題なのかを自分で考えなければならないんです。これは、単眼的にはできません。
西岡:複数の目線で物事を考えなければならないわけですね。先生には、思考のブレイクスルーになった出来事はありますか?
平井:あります。小学校5年生のときでした。担任の先生が「明日、試験をしますよ」と言うのですが、私は、その意味がまったくわからなかったんです。毎日学校に来ているんだから、授業も試験も好きなようにやればいいじゃないかと。ところが、ふと、これは「勉強してこい」ということなんだと気が付いたんですね。先生は僕たちに勉強してほしいからそう言っているんだと。
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