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カラフル「化粧地蔵」毎年夏にお色直し 出石・弘道地区 - 神戸新聞

 兵庫県豊岡市出石町の弘道地区に、カラフルに彩色された「お地蔵さん」が祭られているという。城下町周辺を巡ると、顔を真っ白に塗られて赤い口紅を施されたもの、太い眉が描かれたものやほほ笑んでいるような表情のもの、赤や黄の後光が差したものも。「化粧地蔵」と呼ばれ、江戸時代の年代が彫られたものもある。隣保ごとに地蔵当番を設け、大切に守り続けてきたそうだ。信仰とともに、地域の文化として長く根付いていることを知り、ほっこりした。(阿部江利)

 化粧地蔵の多くは毎年、地蔵盆の際に、お色直しが行われるという。コロナ禍で規模は縮小されたが、今月23日も、弘道地区のあちこちで地蔵が祭られた。

 同町寺町の正福寺では、前日に門徒が協力して全部で15体あるという地蔵を洗い、クレヨンで色を塗り直した。前掛けも新調し、当日は大きな3体を特設の祭壇に安置。門徒の女性らが10円玉のさい銭を手に参拝する子どもたちを出迎えた。

 同町寺町の「やまもと酒店」の店先には、1803(享和3)年と彫られた子育て地蔵があり、22~24日には店内に飾った。同店の山本富子さん(73)によると、義父が若い頃、山で木を切っている時に掘り出した地蔵だという。丁寧に洗った後で、昔はチョークで、今は絵の具で色を塗り直す。「駄菓子を買う子どもたちが手を合わせていくんですよ」と、富子さんは笑顔で話す。

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 市内では、豊岡市街地や城崎温泉街でも化粧地蔵を見かける。ただ、圧倒的に数が多く、集中しているのが弘道地区だ。

 弘道コミュニティ協議会は2018年、地区内54カ所の地蔵の写真や由来を一覧で紹介する「お地蔵さんマップ」を製作した。同会まちづくり部長の小松和巳さん(58)によると、文献や地元住民からの聞き取りを基に現存する地蔵を調べ上げ、一つ一つ現場を巡って写真を撮影。2年かけて仕上げた労作だ。

 マップによると、地域で最も古いもので、江戸時代の1692(元禄5)年の年代が彫られたものがある。54カ所中37カ所が彩色された「化粧地蔵」という。

 住民に話を聞くと、隣保ごとに地蔵当番があり、花や水の世話が続けられているそうだ。「畑や山で発見された」「川から流れてきた」など由来もさまざまで、「子どもの安全、命を守る」「交通安全」「合格祈願」など願う御利益の中身も多様だ。

 地蔵盆の時期に、お色直しを行う理由について、小松さんは「1年に1回、洗ってきれいにして、色を塗り直してあげなあかん、ということではないか」と解説してくれた。

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 化粧地蔵は京都から伝わったとされる。弘道地区に数多く残るのは、京都に近く、“但馬の小京都”と呼ばれる出石の地域性との見立ても。小松さんは「これだけの数が大切に祭られてきたことに、驚きやつながりの深さを感じた」と説明する。その上で「このような風習や地域の祭りを次世代の子どもたちにも伝えていきたい」と話していた。

◆京都の地蔵盆が起源、各地に広まる

 色とりどりにお地蔵さんを彩色する「化粧地蔵」は、豊岡市内だけでなく、京都市や京丹後市、福井県小浜市などにも存在する。

 京丹後市では化粧地蔵と化粧なしの地蔵がいずれも存在するそうだ。小浜市では市街地に近い沿岸部に少なくとも約80カ所ある。また、少し山手の地域にも分布し、1760年代に書かれた文献には化粧についての記述が残るという。

 地蔵などに詳しい金沢大学の清水邦彦教授(56)=日本民俗学=によると、地蔵盆はもともと、旧街道の入り口にある地蔵尊を巡る「六地蔵巡り」を模倣し、地蔵祭として京都で始まった。六地蔵は顔が白塗りで、口紅だけ赤く塗られる。京都では彫りの浅い石仏を祭るところが多く、石仏を地蔵に見立てようと白塗りにし、目鼻を書いたのが起源とみられるという。

 京都の地蔵盆の始まりは江戸時代の1650年ごろとみられ、それ以降に全国のいくつかの地域に広がったと考えられる。化粧に定型があるわけではなく、清水教授は「地蔵盆を子どもが担う地域も多いことから、彩色も自由になっていったと解釈するのが自然ではないか」と分析する。

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August 31, 2021 at 03:30AM
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